Ctv performance testing

コネクテッドTV(CTV)にアプリマーケターが注目すべき理由

ここ数年、モバイルアプリのマーケターとコネクテッドTV(CTV)について話をしてきましたが、ほとんどのマーケターが様子見をしているようでした。理論としては興味を持つものの、CTVには特別な予算やスケジュール、CTVに見合った品質が必要だと考えていたようです。しかし、状況は変化しています。広まった誤解を正し、現在のCTV環境をすべての人に活用していただく時が来ています。

2026年7月にサンフランシスコで開催されたイベント「Adjust Ignite SF」では、Smadex、Vibe、Rokuの代表者にパネリストとしてご参加いただき、筆者の司会で「モバイルアプリ成長に向けたCTV」に関するパネルディスカッションが行われました。そこで明確になったのは、CTVには成果を出すだけの準備がすでに整っており、皆が飛びつく前に導入すれば成功をつかめるいうことです。

ここではイベントで取り上げた内容と、ユーザー獲得ロードマップにCTVを含めるべき理由、そしてAdjustによるCTV導入支援についてご紹介します。

業界にとっての重要な転換点

2026年6月に行われた2件の買収により、討論いただいたパネリストの状況に変化が訪れています。Fox Corporationは、現金・株式の混合対価によってRokuを220億米ドルで買収することに合意しました。これにより、NFL、MLB、Fox NewsなどのFoxのスポーツ中継、ニュース、エンターテイメント番組に、Rokuが所有するストリーミングプラットフォーム、ファーストパーティ視聴者データ、そして世界で1億を超える世帯との直接的な関係を組み込むことができます。ほぼ同じ時期に、WalmartはVibe.coを買収することを発表しました。中小規模の広告主を対象としたVibeのセルフサービス型CTVプラットフォームは、2024年に買収されたVIZIOとともにWalmart Connectに統合されて、コマースデータとストリーミングインベントリが連携されます。

RokuとVibeはそれぞれ別の企業に買収されていますが、根底にある目的は同じです。ストリーミングの業界大手は、コンテンツ、スクリーン、ファーストパーティーデータ、セルフサービス型のアクティベーションなど、すべての機能を1つにまとめて自社保有しようと競い合っているのです。モバイルマーケターにとって喜ばしいことに、機能が統合されることでCTVは変わりつつあります。つまり、エージェントで仲介される断片化されたチャネルから、ペイドソーシャルやデマンドサイドプラットフォーム(DSP)ですでに運用されているような、プログラム可能なセルフサービス型計測環境へとシフトしているのです。インフラストラクチャーが需要に追いつくことで、収益化がさらに容易になるでしょう。

CTVの重要性:ユーザー獲得予算に組み込むべき理由

派手な印象があるCTVですが、パフォーマンス重視のマーケターにはシンプルに映るでしょう。ブランドにとってCTVは、視聴者の注目度が非常に高い画面に広告を配信できる、特別感のある安全(ブランドセーフ)な動画広告枠です。しかも、価格帯とターゲティングの精度は、従来のチャネルとそれほど大きく変わりません。多くのユーザーがテレビを見なくなったことで、これまでリーチが難しかった購買意欲の高い視聴者が広告付きの動画配信サービスへと流入しました。動画配信サービスの広告インベントリはプログラムを使用して購入し、視聴者をセグメントごとにターゲティングして、リーチや表示頻度だけでなく、インストールやインストール後のイベントも計測できるようになっています。

特にアプリマーケターにとって、CTVは広告配信の多様化の問題を解決する現実的な手段にもなります。SNSの有料広告ではオークションコストが上昇し、ウォールドガーデンから共有される情報がさらに制限される中、競合する広告がそれほど多くなく、クリエイティブの表示形式がまったく異なるチャネルを利用すれば、他のチャネルで獲得できないユーザーに効果的にリーチできます。しかも、単にリーチするユーザー数が増えるだけでなく、異なるユーザーの目に止まるのです。

マーケターの活動に影響する誤解

Igniteのパネルディスカッションでは、複数のパネリストが「CTVはブランドチャネルだから、パフォーマンスは見込めない。そのために予算をつぎ込み、クリエイティブを作ることはできない」という反論を頻繁に耳にすると語っています。これは5年前には事実でしたが、今は違います。Netflix、Max、Peacock、Prime Videoなどで広告付きプランが導入されたことや、セルフサービス型プラットフォームの登場により、広告費用の最低額が下がり、きめ細やかなターゲティングが可能となっています。CTVは2~3年前からパフォーマンス重視のバイヤーを取り込むように再編されており、「数字につながるパフォーマンスチャネル」になるのを待っていれば、すでにテストを始めているマーケターに後れを取ることになるのです。

クリエイティブ:既存素材の流用が可能

よくあるのが、CTVにはテレビCM並みの制作予算が必要だという誤解です。実は、現在最もパフォーマンスの高いCTVのクリエイティブは、スーパーボウルのスポットCMのようなものではなく、一般的なユーザー獲得用広告に近いものです。実際のゲームプレイ映像やアプリ画面の紹介、大画面向けにリサイズした縦型のショート動画などは、アプリの機能や画面を的確に伝えられるため、過度に作り込まれたブランド広告よりも常に高い成果を上げています。ペイドソーシャル広告やリワード広告向けの動画クリエイティブをすでに制作しているなら、ゼロから作る必要はありません。素材を再利用してアレンジすればよいのです。

ただし、フォーマットについては、調整が必要な場所があります。

  • 長さ(時間): 15秒および30秒が無難です。一般的には、1分近くあるものよりも、短くてインパクトのある動画の方が目を引きやすくなります。
  • アスペクト比: CTVのデフォルトでは横向きの16:9です。スマートフォンで撮影した縦向き素材を表示すると、レターボックスと呼ばれる左右の余白ができるだけでなく、55インチの画面で見ると見栄えが悪いので、リフレームによって適切な形式に収める必要があります。
  • 静止画か動画か: デフォルトは動画で、一般的に高いパフォーマンスを発揮します。ただし、特にQRコードと共に静的オーバーレイやショッパブルオーバーレイを追加する広告にも勢いがあるため、動画が常に最善と決めつけずにテストしてみる価値があります。

QRコードとハロー効果

QRコードをはじめとするダイレクトレスポンス形式(Rokuの「click Okay」など)は、コンバージョンを促進するために実際に利用されて成長を続けていますが、これらは数ある手法のうちの1つにすぎません。すべてのリーチ数に対してQRコードのスキャン率はそれほど高くなく、多くの場合、ハロー効果(広告へのスキャンやクリックはしないが、直接インストールやオーガニックインストール、検索が増加する)がダイレクトレスポンスを上回ります。スキャン経由のコンバージョンのみでCTVキャンペーンを評価すると、そのチャネルの成果を過小評価することになります。

予算:追加予算で少額から始める

CTVの予算は、すでに成果が実証されているチャネルの予算を再割り当てするのではなく、広告の追加枠として扱うべきです。パネリストたちは、最初から既存チャネルの予算を完全に置き換えることは避け、期間限定の小規模テストから始めることが現実的であると述べています。テストの目的は、特定のオーディエンス、特定のクリエイティブやコンセプト、特定の地域など、仮設に基づいて1~2つ選択します。

90日間のテストにおける「良好」な状態とは

開始初月にインストール単価(CPI)や広告費用回収率(ROAS)の目標を厳しく設定することは、適切な評価方法とは言えません。90日間のテストを行う際は、オーディエンスが実在しリーチ可能であるというシグナルを得られるか、コンセプトによってクリエイティブの成果に差が出るか、他のチャネルの数字が増加したり、ハロー効果による初期兆候が見られるかを確認することをおすすめします。最初の四半期は、ベンチマークを超える安定した成果がすぐに出るは考えず、予算を増やす前の学習段階として位置づけましょう。

計測スタックの設定

実際にCTV計測スタックを構築する際は、他のチャネルと同じ規律を用います。まず、すべてのCTVプレースメントに対し、一貫したクリエイティブレベルでタグ付けを行います。アトリビューションウォーターフォールが明確に表示されれば、コンバージョンに貢献したのが確率的IPマッチングなのか、直接的なシグナルの貢献度が高いのかを理解できます。また、信頼できる唯一の情報源としてAdjustを利用すると、データを個別に見るのではなく、CTVのコストやコンバージョンデータを取り込んで他のすべてのチャネルと比較できます。これこそがクロスチャネル標準化であり、Adjustはこのために設計されたと言っても過言ではありません。マーケターはスプレッドシートを手作業で照合することなく、API連携ネットワーク(SAN, Self-attributing network)、ネットワーク、デマンドサイドプラットフォーム(DSP)、SKANのデータを並べて、CTVを1つの画面で評価できます。

アシストとインクリメンタリティ:重要な情報を得るには

CTVアトリビューションの性質を考えると、アシストの情報やインクリメンタリティが核心的な情報を得る重要な手段となります。単に「CTVが貢献したインストールの件数」を知るだけでなく、「CTV広告の影響によって何件のインストールが発生したか」を問うことが重要だからです。そこで、AdjustのアシストダッシュボードやインクリメンタリティツールのInSightを使用すると、CTVの影響と増分を評価できます。ただし、ツールよりも重要なのは考え方です。アシストまたはインクリメンタリティという視点がなく、CTVへのアトリビューションの数値を見るだけでは、実際の貢献度が必然的に過小評価され、誤ったアトリビューションが是正されません。ウォーターフォールの優先順位を変更する機能もCTVの影響を評価することに役立ちますが、アシストやインクリメンタリティ機能を使用すれば、アプリにおけるCTVの成果を包括的に把握できます。

Adjustのアシストダッシュボード

今四半期中に実行すべき具体的なタスク

すぐに実践すべきポイントとしては、以下の4つの項目を定義したテストを1つ選びます。すなわち、「オーディエンスセグメント」、「クリエイティブコンセプト」、「控えめな予算」、「成功を見込んだ明確な仮説」のそれぞれに対応する内容を1つずつ定義し、初日からアシストやインクリメンタリティ機能を組み込んで、1四半期を通してテストを実施するのです。CTVの場合、テスト結果だけを見てチャネルを評価するのではなく、学習のための投資だと考えることができるマーケターが成果を得ることになるでしょう。

コネクテッドTVの計測やAdjustを使用したアプリビジネスの成長については、Adjustの担当者にご連絡いただくか、無料登録またはデモにお申し込みいただき、詳細をご確認ください。

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